ヤナーチェクのホルン作品

コンチェルティーノ/モスクワ音楽院室内管弦楽団員(1980)
CD(DOREMI DHR-7999)

ヤナーチェク、ヒンデミット/作品集
1.ヤナーチェク/コンチェルティーノ
2.ヒンデミット/ヴィオラ・ソナタ ヘ長調 Op.11-4
3.  〃   /ピアノ・ソナタ第2番
4.  〃   /ファゴット・ソナタ
5.  〃   /トランペット・ソナタ

 スヴィヤトスラフ・リヒテル(ピアノ)(1〜5)
 ユーリ・ニコラエフスキー指揮
  モスクワ音楽院室内管弦楽団員(1)
 ユーリ・バシュメット(ヴィオラ)(2)
 アンドリス・アルニツァンス(ファゴット)(4)
 ウラジーミル・ジーコフ(トランペット)(5)
録音 1980年8月2日モスクワ・ライヴ(1)
    1985年1月14日ブダペスト・ライヴ(2)
    1985年5月2日モスクワ・ライヴ(3)
    1978年5月22日モスクワ・ライヴ(4&5)
     モノラル録音

 リヒテルの貴重なライヴ録音です。放送録音らしくアナウンスが入ります。ヤナーチェクとヒンデミットの作品が演奏されています。
 ヤナーチェクの「コンチェルティーノ」は2つのヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、ホルン、ファゴットとピアノのための作品です。4つの楽章で構成されていて全員の演奏は第3、第4楽章だけです。第1楽章のモデラートはホルンとピアノで演奏されます。単調な主題と動きのある主題があります。ホルンは明るい響きできれいな演奏です。それでもリヒテルのピアノはかなり力強い響きなのでホルンが弱く聞こえます。第2楽章のピュー・モッソはクラリネットとピアノのデュオです。クラリネットが華やかで忙しく歌います。リヒテルのピアノも大変素晴らしい響きです。ホールによく響きます。第3楽章のコン・モトは全員の演奏になりますが、ピアノとヴァイオリンが目立ちます。ホルンはほとんど和音になりますがこの演奏ではあまり目立ちません。第4楽章のアレグロも全員の演奏です。ピアノの響きに圧倒されますが、ここはホルンもよく響きます。リヒテルのピアノには圧倒されますが、これは見事な演奏です。
 ヒンデミットの「ヴィオラ・ソナタ」は名手バシュメットがヴィオラの演奏をしています。ヴィオラ奏者だったヒンデミットは3曲のヴィオラ・ソナタと4曲の無伴奏ヴィオラ・ソナタを作曲しました。このヘ長調は1919年に書かれていて、3つの楽章で構成されています。バシュメットのヴィオラとリヒテルのピアノが素晴らしい演奏を聞かせてくれます。
 ヒンデミットのピアノ・ソナタ第2番は1936年の作品。3つの楽章で構成されています。リヒテルのピアノは冒頭からロマンティックな響きで、素晴らしい演奏です。
 ヒンデミットの「ファゴット・ソナタ」は1938年の作品。スイスへ亡命したころに書かれています。2つの楽章で構成されていて、冒頭から優しい響きの主題がファゴットで歌われます。第2楽章も穏やかなファゴットが美しい響きで歌います。マーチのところは軽快な演奏になっています。リヒテルのピアノもよい響きです。
 ヒンデミットの「トランペット・ソナタ」は1939年の作品。3つの楽章で構成されていて、第1楽章は重厚な響きのピアノと軽やかなトランペットが対照的ですが、第2楽章は穏やかにピアノとトランペットが対話しています。第3楽章は葬送音楽です。哀愁的な音楽が演奏されています。これは素晴らしい演奏です。


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