ヤナーチェクのホルン作品

コンチェルティーノ/ヨハネス・リツコフスキー(1991)
CD(TUDOR TUDOR 772)

ヤナーチェク/作品集
1.カプリッチョ(1926)
2.コンチェルティーノ(1925)
3.インテルメッツォ・エロティコ
     〜消えた男の日記から
4.3つのモラヴィア地方の舞曲
5.15のモラヴィア地方の民謡

ギレアド・ミショリー(ピアノ)(1〜5)
バイエルン放送交響楽団員
アンドラーシュ・アドリアン(フルート)(1)
ハンスイェルク・プロファンター(テノール・テューバ)(1)
ウォルフガング・レウビン(トランペット)(1)
アルベルト・エスターレ(トランペット)(1)
トーマス・ホルヒ(トロンボーン)(1)
クラウス・レンク(トロンボーン)(1)
エルンスト・ギール(トロンボーン)(1)
エルネ・セベスチャン(ヴァイオリン)(2)
クルト=クリスティアン・シュティール(ヴァイオリン)(2)
ユルゲン・ヴェーバー(ヴィオラ)(2)
カール・ハインツ・シュテッフェンス(クラリネット)(2)
アヒム・フォン・ロルネ(ファゴット)(2)
ヨハネス・リツコフスキー(ホルン)(2)
録音 1991年11月7&8日
    1992年2月11&12日

 エルサレム出身のピアニスト、ギレアド・ミショリーのピアノを中心としたヤナーチェクのアルバムです。
 ヤナーチェクの「カプリッチョ」は「挑戦」の副題があり、左手ピアノ、フルート、2本のトランペット、テノール・テューバと3本のトロンボーンで演奏されます。第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグレット」、第4楽章「アンダンテ」となっています。第1楽章と第2楽章ではテノール・テューバがホルンのように聞こえてくるのが楽しいです。金管楽器の中にフルートが響くのが印象的です。第4楽章もトロンボーンとフルートの響きがきれいです。ミショリーのピアノが大変素晴らしい響きです。バイエルン放送交響楽団のメンバーによる明るい響きが印象的です。
 「コンチェルティーノ」は2つのヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、ホルン、ファゴットとピアノのための作品です。4つの楽章で構成されていて全員の演奏は第3、第4楽章だけです。第1楽章のモデラートはホルンとピアノで演奏されます。単調な主題と動きのある主題があります。リツコフスキーのホルンは明るい響きでドイツのホルンらしいきれいな演奏です。ホールに大変よく響いています。ピアノのミショリーの演奏もよい響きです。第2楽章のピュー・モッソはクラリネットとピアノのデュオです。クラリネットが華やかで忙しく歌います。ピアノも大変素晴らしい響きです。ホールによく響きます。第3楽章のコン・モトは全員の演奏になりますが、ピアノとヴァイオリンが目立ちます。ホルンはほとんど和音になります。第4楽章のアレグロも全員の演奏です。ピアノの響きに圧倒されますが、ホルンのフレーズも聞こえます。ヤナーチェクの素晴らしい作品のひとつです。
 「インテルメッツォ・エロティコ」は声楽曲集「消えた男の日記」からの第13曲でピアノだけで演奏される間奏曲です。
 「3つのモラヴィア地方の舞曲」は民謡からの編曲です。短い小品ですが楽しい曲です。ミショリーのピアノが素晴らしい。
 「15のモラヴィア地方の民謡」も民謡からの編曲です。穏やかな民謡が多い中に速いテンポの曲が入るとハッとさせられます。ミショリーのピアノがこれも素晴らしい演奏です。


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