モーツァルト/室内楽作品
ピアノと管楽の為の五重奏曲/バルト・カイペルス(2020) |
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CD(Evil Penguin Classic EPRC0038)
1.モーツァルト/ピアノと木管のための五重奏曲
変ホ長調K452
2.ベートーヴェン/グレトリの歌劇
「獅子心王リチャード」の「燃える情熱」の
主題による8つの変奏曲WoO.72
3.ベートーヴェン/ピアノと木管のための五重奏曲
変ホ長調Op16
アンソニー・ロマニウク(ピアノ)
ヴォルフ・アンサンブル
ブノワ・ローラン(オーボエ)
ジャン=フィリップ・ポンサン(クラリネット)
バルト・カイペルス(ナチュラルホルン)
ジャン=フランソワ・カルリエ(バスーン)
録音 2020年8月24〜27日
アンソニー・ロマニウクのピアノフォルテと古楽器使用のヴォルフ・アンサンブルによるモーツァルトとベートーヴェンの作品です。
モーツァルトの「ピアノと木管のための五重奏曲」は名曲です。3つの楽章で構成されています。第1楽章:ラルゴ〜アレグロ・モデラートはなじみ深い響きに始まりますが、古楽器の響きは独特です。カイペルスのナチュラルホルン、ローランのオーボエ、ポンサンのクラリネットなどによるモーツァルトは見事な演奏です。ホルンは力強く響きます。終結部分のホルンは豪快な響きになっています。第2楽章のラルゲットはモーツァルトらしい美しさがあります。ホルンとバスーンの豊かな響きはきれいです。ピアノフォルテと木管の作り出す美しさは良いものです。第3楽章のアレグレットは親しみやすい主題に始まります。
この楽しくなる主題はモーツァルトならではのものでしょう。オーボエの良い響き、ナチュラルホルンの巧みな演奏など実に素晴らしい演奏です。
ベートーヴェンのグレトリの歌劇「獅子心王リチャード」の「燃える情熱」の主題による8つの変奏曲は、ピアノのための作品で、主題と8つの変奏曲になります。アンソニー・ロマニウクのピアノフォルテによる見事な演奏が聴かれます。第6変奏の力強い響きが印象的です。
ベートーヴェンの「ピアノと管楽器の為の五重奏曲」は1796年ベートーヴェン25歳の頃に書かれています。3つの楽章で構成されています。第1楽章の序奏ではナチュラルホルンの響きが太く大きくなっています。主部ではピアノが主題を提示しています。木管に受け継がれるベートーヴェンらしい響きです。ロマニウクのピアノも素晴らしい演奏です。第2楽章のアンダンテ・カンタービレはピアノに始まります。そして各楽器に受け継がれていきます。オーボエやバスーン、ホルンもきれいに響きます。ナチュラルホルンのストップ音が印象的です。第3楽章のロンドもピアノの主題提示で始まります。
ここはベートーヴェンらしい緊張感があります。そして木管による流麗な主題もまたきれいなものです。このアンサンブルの演奏は素晴らしいものです。 |
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