J・S・バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番

ジャン=ジャック・ジュスタフレ&フィリップ・デュラン(1990)
CD(RCA BVCC-38223/4)2枚組

バッハ/組曲&ブランデンブルク協奏曲全集
CD1
1.管弦楽組曲第2番ロ短調BWV1067
2.管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068
3.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
4.      〃       第2番ヘ長調BWV1047
CD2
5.ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調BWV1048
6.      〃       第4番ト長調BWV1049
7.      〃       第5番ニ長調BWV1050
8.      〃      第6番変ロ長調BWV1051

  アラン・マリオン(フルート)(1)
  ベルナール・ガベール(トランペット)(2)
  ジャン・ピロー(トランペット)(2)
  ジャン=ポール・ルロワ(トランペット)(2)
  ジャック・シャンボン(オーボエ)(2)
  クロード・メゾンヌーヴ(オーボエ)(2)
  ジェラール・ペロタン(ティンパニ)(2)
  ジャン=ジャック・ジュスタフレ(ホルン)(3)
  フィリップ・デュラン(ホルン)(3)
  トーマス・インデァミューレ(オーボエ)(3&4)
  ミシェル・ギボロー(オーボエ)(3)
  ルネ・ギラモ(オーボエ)(3)
  アンリ・ルクレ(ファゴット)(3)
  ジェラール・ジャリ(ヴァイオリン)(3、4、6&7)
  ティリー・カーンス(トランペット)(4)
  マクサンス・ラリュー(フルート)(4&7)
  ミシェル・サンボワザン(リコーダー)(6)
  セバスティアン・マーク(リコーダー)(6)
  リチャード・シーゲル(チェンバロ)(5&7)
  ジャン=フランソワ・パイヤール指揮
   パイヤール室内管弦楽団
   録音 1976年2月(1&2)
       1990年11月23〜29日(3〜8)

 パイヤール2度目のブランデンブルク協奏曲全集に組曲第2番と第3番をカップリングしたアルバムです。名曲組曲第2番はフルートと弦楽のための作品です。フルートはランパルの弟子アラン・マリオンが吹いています。ポロネーズでチェロとともに演奏する美しい響きは絶品です。組曲第3番は3本のトランペット、2本のオーボエ、ティンパニと弦楽による序曲の華やかな響きが聴きものですが、なんといっても弦楽だけで演奏される「アリア」が聴きものでしょう。ウィルヘルミがヴァイオリンのG線だけで演奏するように編曲したことから「G線上のアリア」とも呼ばれます。アンコールとして単独で演奏されることも多いです。
 ブランデンブルク協奏曲第1番は第1楽章の明るい響きが特徴です。フランスの管楽器の明るさが目立ちます。楽しそうにホルンを吹く様子が目に浮かぶようです。第2楽章のオーボエ・ソロがまたきれいです。ジェラール・ジャリのヴァイオリンと調和のとれた美しい演奏になっています。第3楽章アレグロは軽やかな響きのホルンに次いでヴァイオリンが印象深いフレーズを弾いてくれます。第3楽章のメヌエットは程よいテンポで優雅に演奏しています。第1トリオはテンポアップして軽快に演奏しています。オーボエ3本が良い響きを作っています。メヌエットに戻ると最初のテンポに戻ります。ポロネーズは同様なテンポで静かに演奏されます。そしてメヌエットから第2トリオに入ります。2本のホルンと3本のオーボエが軽快に演奏しています。明るい響きの美しい響きは何度聴いても良いものです。最後にメヌエットで終わります。
 第2番はティリー・カーンスのピッコロ・トランペット、シャンボンのオーボエ、ラリューのフルートが絡み合って華やかです。第2楽章のヴァイオリンとオーボエ、フルートのトリオ・ソナタのような演奏はバッハの魅力でしょう。第3楽章はトランペットの独壇場のようなものですが、フルート、オーボエ、ヴァイオリンも負けじと演奏しています。
 第3番はパーヤール室内の弦楽セクションが軽やかに演奏しています。第2楽章ではシーゲルがチェンバロできれいなカデンツァを披露しています。第3楽章は明るい響きのアンサンブルが見事です。第4番は2本のリコーダーが大変綺麗です。1973年の録音ではフルートを使っていましたが、やはりこの曲はリコーダーが一番でしょう。ヴァイオリンのソロが生き生きしています。第2楽章の優雅な響きはバロック音楽を聞く楽しみのひとつです。第3楽章のフーガはバッハの魅力といえましょう。
 第5番は弦楽の爽やかな序奏とフルート、ヴァイオリン、チェンバロがトリオ・ソナタのように語り合いながら演奏するバッハの代表的な協奏曲のひとつです。マクサンス・ラリューの明るいフルートが魅力的でジェラール・ジャリと良い響きを作っています。リチャード・シーゲルのチェンバロ独奏が大変きれいな響きでこの曲の要になっています。第2楽章はフルートのビヴラートの聞いたソロが素敵です。ヴァイオリンとチェンバロがオブリガートのようになってフルートのソナタのようにも聞こえてきます。第3楽章は軽快なアレグロで弾むような演奏が素晴らしい。
 第6番はヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロと通奏低音によります。さほど重い響きではありません。ヴィオラが主役のように軽やかに演奏しています。


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