シューベルト/八重奏曲

シュテファン・ドゥ・ルヴァル・イェジエルスキ(2001)
CD(TUDOR 7114)

シューベルト/八重奏曲ヘ長調Op166、D803
  〜2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、
   コントラバス、クラリネット、ホルンと
  ファゴットのための

 シャロウン・アンサンブル・ベルリン
 ペーター・ガイスラー(クラリネット)
 クラウス・.トゥーネマン(ファゴット)
シュテファン・ドゥ・ルヴァル・イェジエルスキ(ホルン)
 アレッサンドロ・カッポーネ(ヴァイオリン)
 アレクサンダー・.イヴィッチ(ヴァイオリン)
 ウルリヒ・クネルツァー(ヴィオラ)
 リヒャルト・デュヴェン(チェロ)
 ペーター・リーゲルバウアー(コントラバス)
 録音 2001年6月18〜20日
 ベルリン・フィルハーモニー室内楽ホール

 シャロウン・アンサンブルは1983年に結成されたベルリン・フィルのメンバーによる室内楽アンサンブルです。
 シューベルトの八重奏曲は演奏に1時間もかかる大曲で室内アンサンブルのための交響曲といえます。1824年に書かれており「未完成」と「ザ・グレート」の間になります。シューベルトはホルンを大切にした曲が多いのですが、この曲にも重要なメロディーを吹かせています。
 第1楽章は前奏のアダージョから厚い響きのアンサンブが聞かれます。続くアレグロでは素晴らしいアンサンブルが聞かれます。ヴァイオリンとクラリネットが良い響きで歌います。イェジエルスキのホルンはドイツのホルンらしい透明感のある響きで見事な演奏をしています。このアンサンブルはさすがに素晴らしい演奏を聞かせてくれます。後半の演奏も同様です。この楽章では同じ音型が楽器を変えてなんども繰り返されます。コーダはトゥーネマンのファゴットに始まって主題が各楽器に受け継がれながらホルンの素晴らしいソロで終わります。第2楽章:アダージョはクラリネットで始まる穏やかな雰囲気がきれいです。そしてクラリネットとヴァイオリンの対話が美しいです。中間部では緻密なアンサンブルが素晴らしい。ホルンとヴァイオリンとの掛け合いも大変きれいです。コーダのコントラバスのピツィカートはよく響きます。
 第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェは快活なスケルツォです。カッポーネのリードするアンサンブルはここでも素晴らしい演奏をきかせています。クラリネットの演奏も素晴らしい。またユニゾーンの響きがきれいです。トリオも素晴らしい演奏で勢いがあります。第4楽章:アンダンテは主題と7つの変奏曲、「ロザムンデ」の間奏曲を思わせるような主題に始まります。クラリネットとヴァイオリンの変奏が素晴らしい響きです。クラリネット、ファゴットとホルンの変奏も絶妙です。イェジエルスキの吹くホルンの変奏は朗々と歌う素晴らしい演奏です。そして絡むヴァイオリンもまた良い響きです。続くチェロの変奏も良い響きです。後半も素晴らしい演奏で、変化に富んだ7つの変奏曲は名作といえましょう。
  第5楽章:メヌエットはこの曲の中でも最も美しいといえる楽章です。クラリネットの美しい主題が流麗に歌われ弦楽器、ホルンに受け継がれていきます。イェジエルスキのホルンは流麗な演奏で大変きれいです。クラリネット、ファゴット、弦楽器のユニゾーンの美しい響きもあって、優雅なメヌエットです。トゥーネマンのファゴットが素晴らしい響きです。第6楽章:アンダンテ・モルト〜アレグロはシューベルトの音楽の美しさがあります。劇的な響きの前奏に続くアレグロはオーケストラのような素晴らしいアンサンブルです。弦楽の響きの良さはまさに小さなベルリン・フィルです。この演奏は絶賛ものです。演奏時間61分15秒。


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