シューベルト/八重奏曲

マイケル・トンプソン(2014)
CD(TURNER SIMS SOMMCD 0156)

エマ・ジョンソンと仲間たち
1.シューベルト/八重奏曲ヘ長調D803
2.クルーセル/協奏的三重奏曲「ポプリ」Op10

 エマ・ジョンソン(クラリネット)(1&2)
 マイケル・トンプソン(ホルン)(1&2)
 フィリップ・ギボン(ファゴット)(1&2)
 カルドゥッチ弦楽四重奏団(1)
 クリス・ウェスト(コントラバス)(1)
 録音 2014年10月11日ライヴ
   ターナー・シムズ・ホール

 イギリスのクラリネット奏者エマ・ジョンソンと仲間たちによるシューベルトの八重奏曲とクルーセルのトリオです。
 シューベルトの八重奏曲は演奏に1時間もかかる大曲で室内アンサンブルのための交響曲といえます。1824年に書かれており「未完成」と「ザ・グレート」の間になります。シューベルトはホルンを大切にした曲が多いのですが、この曲にも重要なメロディーを吹かせています。
 第1楽章は前奏のアダージョから良い響きを出しています。ホルンが良く響きます。続くアレグロでは整然としたアンサンブルが聞かれます。エマ・ジョンソンのクラリネットが素晴らしい響きで歌います。続くトンプソンのホルンは滑らかな演奏でよく響きます。リピートも良い響きを出しています。展開部は緻密なアンサンブルで素晴らしい演奏です。この楽章では同じ音型が楽器を変えて幾度も繰り返されます。再現部はファゴットに始まって主題が各楽器に受け継がれながらホルンのソロが高らかに歌われて終わります。第2楽章:アダージョはエマ・ジョンソンのクラリネットで始まる穏やかな雰囲気がきれいです。ヴァイオリンのソロ、クラリネットとファゴットのユニゾーンの美しい響きは格別です。中間部ではホルンのソロが素晴らしい響きで歌われますが、ヴァイオリンとの対話もまた大変よい響きです。チェロの深い響きもまた聴きものです。大変美しいアダージョです。コーダのコントラバスのピツィカートはよく響きます。
 第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェは快活なスケルツォです。エマ・ジョンソンのリードするアンサンブルは流麗な演奏をしています。ホルンの高音がよく響きます。クラリネットとファゴットが大変よい響きを出しています。トリオの演奏もきれいな響きで、楽しいスケルツォです。第4楽章:アンダンテは主題と7つの変奏曲、シューベルトの歌劇「サラマンカの友人」から使われた主題に始まります。クラリネットとヴァイオリンが良い響きで演奏しています。第1変奏のファゴットとホルンの絡みもきれいです。トンプソンの吹くホルンの第3変奏は朗々としてよい響きです。ヴァイオリンもきれいです。続くチェロの第4変奏も良い響きを出しています。ヴァイオリンとクラリネットが対話しています。第5変奏は勢いがあります。変化に富んだ7つの変奏曲は名作といえましょう。
 第5楽章:メヌエットはこの曲の中でも最も美しいといえる楽章です。クラリネットの美しい主題が歌われ弦楽器、ホルンに受け継がれていきます。トンプソンのホルンは滑らかです。トリオのファゴットの響きも素晴らしいです。第6楽章:アンダンテ・モルト〜アレグロはシューベルトの音楽の美しさがあります。劇的な前奏に続くアレグロはオーケストラのような素晴らしいアンサンブルでまとめています。大変良い響きを出しています。これは素晴らしいアンサンブルです。
演奏時間63分03秒。
 ベルンハルト・クルーセル(1775〜1838)の協奏的三重奏曲は「ポプリ」の副題があります。単一楽章でクラリネット、ファゴットとホルンの三重奏で演奏されています。この3つの楽器が互いにソロを吹きながらトリオを演奏しています。ファゴットの独奏もあり面白いです。ホルンにもたっぷりソロを歌わせています。もちろんエマ・ジョンソンのクラリネットがたっぷり歌うところがあるのは言うまでもありません。素晴らしい三重奏曲です。単一楽章ですが「ポコ・アダージョ、アレグロ・モデラート、アンダンティーノ、アレグロ」の4つの部分になっています。3つの楽器が主役という珍しい作品です。思わず拍手したくなります。


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