J・S・バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番
ジェームズ・スタリアーノ&ハリー・シャピロ(1957) |
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CD(RCA BVCC-38422〜23)2枚組
バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2. 〃 第2番ヘ長調BWV1047
3. 〃 第3番ト長調BWV1048
4. 〃 第4番ト長調BWV1049
5. 〃 第5番ニ長調BWV1050
6. 〃 第6番変ロ長調BWV1051
7.ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV1041
リチャード・バージン(ヴァイオリン)
(1、2、4&5)
ジェームズ・スタリアーノ(ホルン)(1)
ハリー・シャピロ(ホルン)(1)
ラルフ・ゴンバーグ(オーボエ)(1&2)
ロジャー・ボワザン(トランペット)(2)
ドロワ・アントニー・ドワイヤー(フルート)(2、4&5)
ジェームズ・パッポートサキス(フルート)(4)
ルーカス・フォス(ピアノ)(5)
ハイメ・ラレード(ヴァイオリン)(7)
シャルル・ミュンシュ指揮
ボストン交響楽団
録音 1957年7月8日(1、3&4)
1957年7月9日(2、5&6)
1960年12月24&25日(7)
ステレオ初期にミュンシュが録音したバッハのブランデンブルク協奏曲全集です。
第1番はさわやかな響きのバッハが素晴らしく、程よいテンポで演奏しています。弦楽をバックにホルンやオーボエが鳴り響くところはいつ聞いても楽しいです。ホルンはスタリアーノとハリー・シャピロが吹いています。2人のホルンはかたいですがこの時代らしい演奏です。第2楽章のオーボエとヴァイオリンは素晴らしい響きです。第3楽章は2つのホルンの響きがきれいです。ヴァイオリンとともに軽快な演奏です。第4楽章のメヌエットは弦楽のレガートで始まる程よいテンポの演奏になっています。第1トリオの3本のオーボエとファゴットはきれいな演奏です。中間部のポロネーズは弦楽が大変きれいに演奏されています。第2トリオのホルンとオーボエの演奏も見事な演奏です。ここはスタリアーノのホルンやゴンバーグのオーボエが素晴らしい響きです。
第2番はピッコロ・トランペットのソロがきれいに響きます。オーボエ、ヴァイオリン・ソロやフルートも良い響きです。よいアンサンブルになっています。第2楽章のアンダンテはオーボエ、フルートとヴァイオリンのトリオ・ソナタのようになっています。素晴らしい演奏が聴かれます。第3楽章はトランペットの高域の音が飛び交いますので賑やかです。ヴァイオリン、オーボエとフルートも素晴らしい演奏です。
第3番は第1楽章で弦楽合奏の整然としたアンサンブルが聴かれます。第2楽章のアダージョは弦楽の橋渡しのみです。第3楽章のアレグロは弦楽の素晴らしい演奏が流れます。
第4番は2本のフルートが華やかに響きます。ドワイヤーとパッポートサキスのフルートがバージンのヴァイオリンと良い響きを奏でます。第2楽章はアンダンテ、弦楽とフルートが作り出す響きは美しいものです。第3楽章のプレストも華やかで響きも素晴らしい。
第5番ではフルート、ヴァイオリンとチェンバロがソロになりますが、ここではピアノで演奏しています。この名曲はブランデンブルク協奏曲の中でも人気の高い作品というだけでなくヴァイオリンとフルートが活躍する素晴らしい曲です。チェンバロの代わりにピアノで演奏すると印象は違いますが、バッハには変わりなく、第1楽章ではピアノが細かいフレーズを弾きカデンツァを弾いているとその魅力にはまります。第2楽章のフルートとヴァイオリンが歌う主題の美しさは素晴らしいものです。まるでピアノ伴奏で演奏しているかのようです。第3楽章のアレグロは跳躍するような主題がヴァイオリンとフルートで歌われます。チェンバロでは聞こえにくいフレーズがピアノでは鮮やかに聞こえます。
第6番は2つのヴィオラ、2つのヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ、コントラバスと通奏低音が指定ですが、この録音では、ヴィオラ8、チェロ6コントラバス2とチェンバロです。第1楽章はヴィオラとチェロがシンコペーションの主題を演奏します。これは大変良い響きで素晴らしい演奏です。16の弦楽器ですから厚みがあります。第2楽章もヴィオラとチェロが優雅に演奏します。冒頭でチェンバロが聞こえます。第3楽章は全合奏でフーガのように追いかけてゆく主題が繰り返されています。ヴィオラが2つのパートに分かれて、これもまた素晴らしい演奏です。
ヴァイオリン協奏曲第1番はバッハの名作です。ハイメ・ラレードの演奏は3つの楽章を通して大変きれいな演奏です。ミュンシュの指揮も素晴らしいです。 |
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