J・S・バッハ/ホルン作品集

無伴奏チェロ組曲第4番(ホルン版)ラリー・ウィリアムズ(2006)
CD(Golden Horn 自主制作)

ブラック・フォレスト
1.シュレーダー/ホルン協奏曲「黒い森」
2.ホヴァネス/ホルン協奏曲「アルティック」Op78
3.バッハ/無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調
        (ホルン版 ラリー・ウィリアムズ編)
4.シュレーダー/ペンシルヴァニア〜ホルン、
  オルガン、管弦楽と合唱のための
5.シュレーダー/ホルンと弦楽のためのアダージョ

 ラリー・ウィリアムズ(ホルン)(1〜5)
 ドナルド・サザーランド(オルガン)(2&4)
 ライトウェイ・スタジオ・オーケストラ(1、4&5)
 録音 2005年&2006年

 アメリカのホルン奏者ラリー・ウィリアムズのアルバムです。
 ジェイムズ・シュレーダー(1956〜)のホルン協奏曲「黒い森」はラリー・ウィリアムズのために書かれました。第1部と第2部の2部構成になっています。ドイツの森に響くようなホルンが朗々と流れる第1部は迫力があります。トロンボーンが対等に響きます。第2部ではオーボエが対話するように歌います。この協奏曲はアメリカというよりもドイツ風の作品といってもよさそうです。ラリーのホルンは見事な演奏です。
 アラン・ホヴァネスのホルン協奏曲「アルティック」はホルンと弦楽のための協奏曲ですが、この録音はホルンとオルガンで演奏されています。8つの短い楽章で構成されています。第1楽章は冒頭から明るいホルンが歌います。オルガンは静かに響きます。第2楽章は穏やかに歌うバラードのようです。オルガンは静かに響きます。第3楽章はドラマティックな歌が流れます。第4楽章は「カンツォーナ」、のどかな歌があります。第5楽章はホルン独奏に始まり、やがてオルガンも歌いますので良い響きになります。第6楽章はカノン、オルガンのリズムにのってホルンが歌います。第7楽章はアリア、讃美歌のように美しい歌が流れます。オルガンがよく合います。第8楽章はドラマティックなホルンの歌が流れオルガンの響きと共に終わります。深遠な響きの演奏になりました。
 バッハの無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調のホルン版はラリー・ウィリアムズの編曲です。ラリーは2001年に組曲第2番を録音していました。バッハは得意のようです。深い響きのホルンで豪快な演奏をしています。第1曲プレリュードから第7曲ジーグまで見事なホルンを聞かせてくれます。
 シュレーダーの「ペンシルヴァニア」はホルン、オルガン、管弦楽と合唱のための作品です。この演奏ではラリーのホルンがアメリカのホルンらしい響きで聴かれます。オルガンと合唱まで入るこの作品は実に壮大な作品です。鐘が鳴ります。
 シュレーダーの「ホルンと弦楽のためのアダージョ」はホルンが朗々と歌うアダージョです。5分ほどの作品ですが、情景描写のように美しい作品です。


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